世界エイズデーメッセージ 2005年12月1日
だれもが エイズとの取り組みに参加するように 呼ばれています

カリタスジャパンHIV/AIDSデスク(日本カトリック司教協議会)

カリタスジャパンHIV/AIDSデスクは日本の社会とカトリック教会のすべての皆さんと、HIV/AIDS(エイズ)についてともに考え、HIV/AIDSとの取り組みの道をともに歩みたいと思います。
 呼びかける理由は3つあります。
 第1には、年に300万人以上のいのちを奪っているHIV/AIDSは、早急に対策が求められる世界的問題の一つですが、日本でもHIV感染者・AIDS患者(以下、陽性者)が急増しているからです。2005年末時点でHIV感染者は全世界では約4,000万人ですが、新たな陽性者は、欧米では微増にとどまっているのに対して、日本では10年間に倍増し、2004年には新たな陽性者が年間1,000人を超えました。
 第2には、陽性者、そしてその家族や友人は、無関心と無理解、冷たいまなざしの中で苦しんでいるからです。
 第3には、この病気で苦しむ人がこれ以上増えないよう、とくに子どもたちや若い世代の人たちと性のあり方について話し合うことが、早急に求められているからです。
病気の人の苦しみを心にとめて
 HIV感染症は病気の一つです。病気には原因がありますが、普通は病気にかかった人を責めたりはしません。ところが陽性者は、偏見と差別にさらされています。そうしたことをなくしたいと私たちは考えます。悲しみ苦しんでいる病める人に寄り添い、いやしとゆるしをもたらされたイエスこそが、私たちの模範だからです。
 私たちは不特定の異性や同性との性的接触が道徳的に問題だと受けとめ、一方的に裁いてはいないでしょうか。自分自身が道を踏み外すことのある人間であるのに、自分の弱さを棚に上げていないでしょうか。
 性について、私たちは新たな受け止め方を求められています。性を男性と女性の二つに単純に分けてとらえることに無理があることが明らかになってきました。男性にもいわゆる女性らしさが、女性にも男性らしさが兼ね備わっており、その度合いには、生来的に、また生育環境や体験によっても違いが生まれます。これまで十分に語られなかった同性愛や性同一性障害の問題についても、よりふさわしく向き合うことが求められています。
性について話し合う場を
 いのちと性、そしてHIV/AIDSについて、子どもたちや若い世代の人たちと話し合う場を持ちましょう。性を語ることには、子どもたちや若い世代の人たちの教育に携わっている方でも、ためらいや戸惑いを感じていると思います。しかし、もしも私たちの周囲で新たな陽性者が出るなら、私たちの責任も問われるのではないでしょうか。それは、私たちがこうした話し合いの努力を十分にしてこなかったから、とも言えるからです。
 さまざまな性情報が氾濫する中で、自分で考え、責任をもってよりよい道を選べる力を養うことが求められています。いのちと性の尊さについて語り合う中で、コンドームについても自分で正しく判断する力をつける必要があると考えます。
世界のHIV/AIDSに目を向けて
 世界には、HIV/AIDSに苦しむ多くの人がいます。感染する人、亡くなる人のほとんどは、高価な治療薬だけでなく、予防の情報すら手に入れることができない途上国に集中しています。アフリカには人口の20%以上が感染し、働き手と親が失われ孤児だけが残ると心配されている国がいくつもあります。さらに、新たな感染者の伸び率が世界最大のアジアの中で、とくに東アジアではこの2年間に40%増え、感染が急速に広がることが懸念されています。世界の隣人にも目を向けることが求められています。
 HIV/AIDSデスクは、この病気への取り組みを、まずできることから始めるよう呼びかけます。それは、病気の人の苦しみを心にとめ、いのちと性について若い人たちと話し合い、そして世界の問題に目を向けることです。私たちには、力を合わせて、危機にさらされているいのちを守り、助け、輝かせる使命があるのですから。

 
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