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カリタスジャパンニュース
連算発行番号 Caritas Japan News No.264


視察報告

 カリタスジャパン事務局(稲江佐和子)は、モンゴルの貧困の状況とカリタスジャパンが支援しているプロジェクトを視察して参りましたので、その報告をさせていただきます。

 まず簡単にモンゴルの貧困状況について、その背景を含めて説明いたします。1990 年のソビエト崩壊時、モンゴルも急激な市場経済への移行を開始しました。国営企業が民営化されるに伴い、多くの労働者が解雇され、また民営化されても、もともと市場経済運営の素地が無かったため、多くの民営化された企業が行き詰まり、倒産する事態が相次ぎました。
ゲル

 首都のウランバートル(以下UB)以外の大きな街の元国営工場は閉鎖されるか、民営化に失敗して倒産し、多くの失業者が職を求めてUB に流れて行きました。こうした人々が住んでいたアパートを売り、ゲルを購入し、余った資金で小規模ビジネスを立ち上げようと目論みました。結局、ビジネスは失敗し、資金はつき、ゲルのみ手元に残るという状態に陥ってゆきます。このような人々がゲルエリア(いわゆるゲットー)を形成してゆきました。さらに、借金が残り、ゲルさえ手放した人々がホームレスになってゆきました。モンゴルの40% の人々が、国が定める貧困ラインを下回る生活をしていますが、その多くがゲルエリアに住んでいます。

 モンゴルでは11 月から4 月までが0 度を下回る気温で、最も寒い時はマイナス40 度まで下がります。国の暖房はセントラルヒーティング様式で、中央で各家屋の暖房を管理するシステムですが、ゲルエリアまではセントラルヒーティングは届いていません。セントラルヒーティングは石炭を燃料としており、UB には3つのパワーステーションがあります。この煙突から吐き出される噴煙が冬の街を覆い、空気が大変汚れています。ゲルエリアでは、自分たちで石炭や木を燃やして暖をとりますが、パワーステーションからの煙とあいまって、非常に空気が汚れています。これで多くの人々が健康を害しています。私も1日目にして、のどあめが手放せない状況に陥りました。

 ゲルエリアの生活苦は暖房費の高さに始まります。冬1シーズンに必要とされる石炭は、ゲルに住む1家族ごとに1トラック分とされ、32,000 円程度、月々にすると5,000 円ほどになります。ゲルエリアに住む人々は、ごみのリサイクル(ごみあさり)、年金生活、行商等で生活しており、月収が1,700 円から8,500 円ですので、収入が暖房費に消えてゆく状況と言えます。その結果、ゲルエリアでは食事を1日に1回とるのがやっとです。失業者はソビエト崩壊時にUB にやってくる過程で身分証明書をなくしてしまったケースが多く、身分証明書が無ければ、仕事には就けず、医者にかかることもできません。


ゲルエリア


 こうした生活苦の中、アルコール中毒になる男性は大変多いようです。世界の平均の男性アルコール中毒比率は3 〜 5% と言われていますが、モンゴルについては22% にも上ります。このアルコール中毒者比率の高さと比例して、男性による女性への暴力事件が大変多く、これと関連し、暴力から逃げるために家を離れた女性が人身取引の犠牲になることも多いとのことです。なお、私がモンゴル訪問時に、カリタスモンゴルディレクターのピエール師のもとに、2件の暴力事件の被害者の保護を求める依頼がありました。

ゲルに住む祖母と孫


 さて、モンゴルにカリタスが発足したのは1999 年です。その年に大寒波が襲い、多くの人々と動物(牛、馬等)が犠牲になった時、緊急支援を行うために発足したことがきっかけとなっています。現在のディレクターのピエール師はコンゴ出身で、2005 年に現職に就きました。ピエール師は修道会(淳心会)の宣教師として1996 年に派遣されてからずっとこの地で活動されているため、モンゴル語を流暢に話し、人々の生活状況に精通しています。ピエール師の下、現在カリタスモンゴルはゲルエリアの人々の自立支援に注力しています。具体的に、教育分野、農業分野、女性支援、ホームレス支援の4つの分野で10 のプロジェクトが実施されており、カリタスジャパンは教育分野のプロジェクト1つを支援しています。

カリタスジャパンが支援する小学校に通う子ども達


 次に、プロジェクトについて、概略を説明いたします。Zuunmod というUB から車で2時間ほど離れた村に、カリタスジャパンが支援する小学校があります。生徒数は現在85 名、多くがゲルエリア出身で、近くにある国営の小学校を、文房具代が払えない、放牧の手伝いのために授業についてゆけなくなった等の理由で中退した子ども達です。学校では、モンゴルの小学校に準拠した授業に加え、社会性スキル、コンピュータスキル、家事スキルを身につける授業も実施されています。ランチは、この一食が彼らが1日に口にする唯一の食事であることも多いため、特に栄養価の高い献立が用意されています。さらに、医者が1人常駐しており、定期的に子ども達の健康チェックを行っています。

 私がこの学校を訪問した際、子ども達から、皆様の支援金に対するお礼の言葉と共に、彼らの将来の夢を聞く事ができました。皆それぞれに、医者になりたい、算数の先生になりたい、馬の騎手になりたい、と将来の目標に向かって真剣に勉強をしている様子でした。先生の説明によると、子ども達が学校に通い始めてからの行動や態度の変化を認めた保護者達は、教育の必要性を理解し、子供達を学校に通わせる努力をするようになるとのことです。事実、この小学校の職業訓練校を含めたここ3年間の進学率は84% と、大変高くなっています。皆様の支援金によるモンゴルでの教育支援は、着実に効果を上げていると言えます。

   



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