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カリタスジャパンニュース
連算発行番号 Caritas Japan News No.267


巻頭言
カリタスの支援と社会の構造的問題
カリタスジャパン秘書 成井大介

カリタスジャパンは、国際カリタスに加盟する様々な国や地域のカリタスとともに、多くの国で支援活動を行っています。カリタスの支援活動は、災害復興や平和構築、医療、教育、開発援助など多岐にわたりますが、すべてに共通しているのは、そこに住んでいる人たちが、自分たちの力で自立するための支援をするということです。日々の生活、昔からの伝統と文化、習慣、宗教、共同体。それらはすべて地元の人々のものであり、カリタスはその人々が自ら自分たちの生活をより良くしていくためのパートナーなのです。

たとえば、ウガンダでは土地にやさしい農業手法によって収穫増を目指す活動に取り組んでいます。実は、世界中の非常に多くの農家、それもかなり小規模な農家ですらも農薬を使用しています。電気も通っていないような村でも普通に農薬があり、マスクもせずにこれを使い、人も土地も傷つけられているのです。バングラデシュでは、洪水が襲ってきても家財が流されないような家の作り方を広めたり、村や町などにおける委員会をより公平に組織・運営するために規則を成文化したりします。

家庭農園で、バナナの収穫増加を語るウガンダの女性


また、インドでは女性が積極的に村の運営に関わっていけるように自助グループを形成したり、パキスタンでは病気にならないように、風土に合った清潔な生活習慣を身につけます。これら一つひとつの活動はとても小さなものですが、その効果は大きく、長い将来にわたって益をもたらします。また、その手法や知恵は、周りの村々に広がって行き、部族、宗教を越えて平和な共同体やネットワークを生み出します。何より、こうした活動は外の人から与えられるのではなく、自分たちの力で生活を良くしていくことが出来るという点で、とても意味のあることなのです。

ところが、最貧国と呼ばれる国々では実に頻繁に政変が起こり、その度にこうした地道な努力が一瞬にして無にされるような紛争が起きたりします。また、ある日突然、少数民族が昔から住んでいた土地に多数派がやってきて、追い出されたりします。政府は少数民族の訴えを聞いてくれません。ある国では、いきなり石油企業がやってきて、広大な土地を購入し、そこに成長の早い木を植えます。

ネパールで、菓子の製造販売を通しての女性自立支援


その様子は、先進諸国で「エコ」をうたうテレビコマーシャルとして流れますが、その周りで農業をやってきた住民たちは、企業が植えた木に水を取られてしまうために土地が干上がり、もはや農業が出来なくなって土地を追われていきます。またある国では、先進諸国からの債務返済のために換金作物の栽培を優先せざるを得ず、人々は自分の飢えを満たすことのない農作物を奴隷のように作り続けます。こうした状況は、人々の人間らしい生活を破壊します。これは一地方の問題ではなく、国や世界規模の問題で、その問題を解決するためには社会の構造を見直していかなければならないのです。

ところで、この世界は8:2の比率で成り立っているということがよく言われます。世界中の8割の人が、2割の富(お金、石油など)を使い、2割の人が、8割の富を使っていると言う意味です。この、2割の人々は、自分たちが安定して8割の富を使うことが出来るように、様々な努力をします。時としてそれは、貧しい人々がしっかりとした知識を持って自分の権利を主張しないように、意図的にその地域に学校を作らないという策略であったり、石油や貴金属の利権を争う紛争であったり、人々の土地を破壊する植林によるエコイメージ戦略であったり、最貧国を債務漬けにする国家戦略であったりするのです。つまり、私たちはそのような構造の社会の中で生きており、世界中のほとんどの人たちが、何らかの形でこの構造による影響を受けているのです。特に、カリタスが支援している人々の地道な自立を目指す生活は、こうした構造的搾取によっていとも簡単に壊されてしまいます。

世界162の国や地域で、いつも地元の人々と共に歩むカリタスネットワークは、上記のような地道な支援活動を続けるのと同時に、構造的な問題を解決するために政府や国際機関に働きかけます。NGOの間では、弱く、搾取される人々のことを“Voiceless”つまり、「声なき人々」と言うことがあります。こうした人々は、誰にも知られることなく、土地を取られ、財産を取られ、人権を認められず、そしてその訴えは誰にも届かない(周りが届かせない)からです。カリタスは、世界中のネットワークを利用して、こうした人々の「代弁者」として声を届けていくことを一つの重要な使命としています。今年、日本ではG8サミットが開かれますが、G8では様々な社会・経済的な課題がこれまで取り上げられてきました。ぜひ、世界の人々の声に耳を傾けるサミットであってほしいと思います。次号では、G8サミットに関連して、より具体的な取り組みなどについてお知らせします。
     

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