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カリタスジャパンニュース
連算発行番号 Caritas Japan News No.267


巻頭言
教区担当者バングラデシュ視察報告<前編>

 幸田司教以下4名のカリタスジャパン教区担当者、秘書、事務局2名の視察団は、2月8日〜16日バングラデシュを訪れ、カリタスジャパンが支援するプロジェクト視察を行いました。今号から2回にわたってこれに参加した教区担当者の視察報告を連載致します。今回は、「チッタゴン丘陵地帯における少数民族教育プログラム」についてです。

チッタゴン丘陵地帯とは? 
バングラデシュ東南部に位置する山岳地帯。古くから、多数派のベンガル人とは異なった文化を持つモンゴロイド系の先住民が、焼き畑農業を生業として暮らしていた。イギリス統治時代には自治権が与えられていたものの、その後の東パキスタン、そしてバングラデシュ政府は、彼らの権利を無視した政策を採り、両者の関係は悪化、ついに先住民は軍を組織し政府軍との紛争が勃発する。また、政府はベンガル人の入植政策を推し進め、先住民は土地を奪われていった(以前は、この地域におけるベンガル人の居住割合は1割程度だったが、現在ではほぼ5割)。

カリタスの支援する学校で勉強する子どもたち
 
地理的なアクセスの悪さから、国はおろか他のNGOの援助も届かないこの地域で、現地の教会そしてカリタスは50年にもわたり支援を続けている。  



チッタゴンでの教育プログラム


長崎教区担当者 下口 勲

 わたしは今回のように短い視察であっても、一歩前に進み、チームを組んでカリタスジャパンの支援地を視察できたこと、さらにカリタスバングラデシュが、バングラデシュの教会と組織的に協力体制を取りながら、少数民族の人権擁護のために働き続け、実績をあげていることを学び、その成果として、少数民族がしっかりしたコミュニティを形成し、自立へ向かって前進している様子を自分の目で確かめることが出来たことに今回の視察の意義があったのだと思っています。

思いがけない再会
 今から約3年前のことです。日本のNGOエスナック教育里親グループ(代表者:藤田文子氏)は、2004年10月、設立25周年を記念するため、当時バングラデシュのシレット地方でエスナックのコーディネーターをしていたオブレート修道会のシュバシュ師とビジョイ師を招き、全国各地でエスナックフェスティバルを開催しました。長崎開催においてはわたしがフェスティバルの世話をさせてもらいましたが、2人を原爆資料館や26聖人殉教地に案内し、2人とも聖地長崎を巡礼できたことをとても喜んで帰国されました。ところがわたしたちは今回、視察先であるチッタゴンのアリカダム村で偶然にも2人に再会することになり、このときばかりは、世界は広いといえども狭いものだと強く感じました。

訪問先の集落での歓迎式に参加する下口師
(右から2番目)
教育プログラムの行われている村を訪問して
 わたしたちの今回の主な視察地は、チッタゴンの少数民族の住む3カ所の小さな集落(パラ)でしたが、3集落とも、2人の小教区の巡回教会になっていました。2人は既にチッタゴンでの教育プログラムの事務担当者として活躍しておられますが、今回の視察ではわたしたちに同行し、案内役として奉仕するだけでなく、食事の接待、宿泊の手配もして下さいました。2人が司牧宣教する小教区は2005年にチッタゴン教区に設立されたばかりの新しい小教区で、信徒数3,500人、40を越える巡回教会があり、
その多くはアップダウンの険しい山道を5kmも6kmも歩かなければならないところにあるとのこと。しかし毎年200人近くも信徒数が増加し、さらに司祭になって社会や人々のために一生を捧げたいと思う青少年が多い地区となっており、バングラデシュの神学校の神学生の内、約3割から4割がチッタゴンやシレット地区の少数民族出身となっているそうです。わたしたちが訪問した3カ所の少数民族の集落は緑豊かな山間地で、純真な子どもたちと乳飲み子を抱っこしている若いお母さんが多い集落でした。その様子は戦後、経済成長が始まる前の、どこの教会も子どもが多く、司祭召命も豊かであった長崎県五島列島のカトリック集落で育った少年時代の自分の姿と重なり、とても懐かしく思いました。現在では日本のどの教区でも司祭召命が少なくなっていると言われる中、どうすれば司祭召命を育てる教会になれるのか、自分に問い直してみる必要性を感じました。

教育プログラムの課題
 教育プログラム視察後、チッタゴン教区の司教館でパトリック司教を囲んで意見交換会がありました。その席で伺った話の一つに、今年ここの少数民族は穀物被害で日々の食料も不足し、保護者は初等教育を受けている子どもたちの先生へ給料(現金でなく、米)を提供することができない状況に追い込まれている。そのため、翌日臨時のトップ会談を開催し対策を協議するとのことでした。
 同じような災害や差別がいつ発生してもおかしくないのが今の少数民族がおかれている状況ですが、今後も、バングラデシュの教会とカリタスバングラデシュとの協力体制によるサポートを受け、自分たちの力でしっかりとしたコミュニティ作りを続けて頂きたい。また、司教は「カリタスジャパンの長期支援が切れる3年後のことが心配で眠ることができない。契約期間が切れても何らかの方法で支援を継続して欲しい」と言われました。私には視察から2カ月が経過した今でもこの司教の切実な言葉が脳裏に焼き付いています。支援継続の問題は今後の重要課題ですが、これについては、私一人では
チッタゴン教区のパトリック司教(中央)
どうすることもできません。しかしカリタスジャパンがチッタゴンでの教育プログラムにおいて、どうすれば持続可能な支援ができるのか、今のうちから支援地の責任者と対話を続けることが望ましいのではないでしょうか。
 (教区司祭)


チッタゴンでの教育プログラム


鹿児島教区担当者 久保俊弘

 幸田司教様ほか7名でカリタスジャパンが支援しているバングラデシュ東部のチッタゴン丘陵地帯を訪問しました。ここに住む少数民族のいくつかの学校を見、村人とも対話して、カリタスジャパンの送っているお金が大変有効に使われていることも分かりました。日本人とも似た顔つきをした12の少数民族の住むこの地域は、政府と紛争を起こしたこともあるところで、基礎的な行政サービスが行き届いておらず、学校も不足していました。また、元々文字を持たない文化であるため自分の土地を登記できず、ベンガル人に奪われてしまうといった問題も抱えていました。このような中、基本的人権や女性の権利をしっかりと主張していくためにも、一番必要なのは教育だということでした。
 そこで現地の教区は、人口100〜200人の小さな村に木と竹で小さな寺子屋のような小学校をたくさん作り、全ての村人が基礎的な教育を受けられるよう尽力してきました。またそこを出ただけでは良い就職もできないので、子どもたちが引き続き家から何十kmも離れているハイスクール(中学〜高校レベル)で勉強していくことができるよう、寮を作って男女生徒計800人ほどを世話しています。その卒業生たちが村の小学校の先生になりますが、月給は2,000円ほどです。これを補うため、村人は教師に対して米を提供します。また、それぞれの村には、自分たちで学校を続けていけるよう学校運営委員会があり、いろいろな問題を処理しています。PTAの発展した委員会でメンバーは10名ほど、村長さんも入っています。

学校運営委員会とのミーティングに参加する久保氏
(中央左)
 小学校の授業参観もさせてもらいましたが、長さ10m、巾5mぐらいの家に30人ほどが板の床に机もなく座って授業を受けていました。複式授業で、上の学年がかけ算の問題を解いている間に先生は下の学年に朗読を指導する、といった具合でした。彼らの授業に真面目に取り組んでいる顔がとても印象に残っています。その後、先生方10名くらいと話をした時も、「現状に対する要望は?」という問いかけに対し、自分たちの安い給料、待遇のことは一つも出ず、「学校をどうすればもっとすばらしいものになるだろう」などという建設的意見が多く、すばらしい先生方だと思いました。
 視察後の夜にチッタゴンの司教様とお会いする機会がありました。この日も司教様は車も通れない道を6kmほど歩いて村々を訪問してこられたとのこと。この地域の現状、そしてこれからこの人たちの援助をどうしたら良いかについて話して下さいました。今でも教育費を出せない親には代わって資金援助をしているが、日本からの援助が3年後に無くなるとどうしようか、とおっしゃる司教様の悩みを解決するにはどうしたらよいものかと考えさせられました。 
 (教区終身助祭)
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